外科医のやりがいを伝えたい!!外科研修あるある「マツダ君の戦い…!」

あるあるマンガ

こんにちは!Dr.チャッピーです。

このブログをご覧いただいた皆様に

外科の病気のことをみんなに知ってもらって人生を快適に過ごしてもらいたい

自分のマンガを様々な方に楽しんでもらいたい

というのが私の目標です。

前回は外科研修あるあるについてマンガにしました。今回はその続きとなっています。前回の投稿はこちらで見られますので、ご覧ください

外科研修あるある「研修医の戦い!」

今回は頑張ってくれた研修医の先生のエピソードについてマンガにしました!過酷な医療現場で頑張ってくれたスタッフの方々に感謝です。

  • 外科の緊急手術ってどんなの??
  • 救急や手術室で働いてみたいけど、実際現場はどんな感じなの?

そんな人向けの内容になってます。それでは楽しんでください!

外科研修あるある「マツダ君の戦い…!」

これは深夜に緊急で腹腔内出血が搬送されたときの話です。

救急外来に来院され、検査をするとお腹の血管から出血しており、今も持続している状態であることが分かりました.輸液を行い、血圧はまずまず安定しており、輸血の準備を進めてながら、止血に対する治療として血管内治療を選択しました。

腹部外傷の治療法とは?

腹腔内出血の治療の種類として血管内治療と開腹止血術があります。

  • 血管内治療(TAE:Transcatheter Arterial Embolization 経カテーテル動脈塞栓術)カテーテルを用いて、出血している動脈を詰める(塞栓する)治療
  • 開腹止血                                お腹をあけて直接血管を止血する またはガーゼを詰めて圧迫する

ざっくり言うとこんな感じです。

また外傷については詳しく話していきたいと思います。(自分も勉強不足なので、しっかり勉強してから情報発信したいというのが本音( ^ω^)・・・)

どちらを選択するかは、大まかではありますが

初期輸液に反応性があるどうか

です。初期輸液とは、来院してすぐに点滴を取り、MAXのスピードで投与します。細胞外液を1L~2Lほど急速投与し、血圧が上がってきたり、下がり止まれば反応性ありと判断します。

反応があればTAEの適応あり(TAEをtryする時間がある)と判断し、血管内治療を選択します。

血管内治療のメリットとしては、止血できれば体への負担(侵襲)が少ないというメリットがあります。しかし、止血できなければ開腹止血に移行する必要があります。血管内治療で止血できなかった時間もロスになってしまうため、

治療の選択や切り替えが非常に大事になります。

今回のマンガの患者さんも、TAEでは止血できず、開腹止血に移行しました。

ダメージコントロール手術って何!?

マンガでダメージコントロール手術というワードが出てきました。

ダメージコントロール手術とは重度の外傷手術などで出血が止まらなくなってしまった状態になった患者さんに対して、一時的にガーゼなどを出血部位に詰めた状態でお腹を閉じます。集中治療室で輸血をしたりすることで体の循環と血を止める力(凝固能)を整えることで、再手術に臨むという手術です。

ちょっと、何言っているかわからないですよね(笑)

人間は血が出ると、出血場所に対して血を止めようとする力が働きます。それが凝固能です。大量に出血すると、血液中にある凝固にかかわる成分が漏れ出てしまい、血が止まらなくなるのです。

お腹を切るだけでも血が出ますので、お腹を開けた状態が続けば、血が出続けて凝固能が破綻してしまうのです。

そうなるといくら血を止めるために血管を縛ったり、電気メスで焼いたりしてもどうに止まりません。

止血の基本は圧迫です。

これは包丁で手を切った時も一緒です。ずっと押さえていれば、いつかは止まります。

ガーゼで圧迫したままで、凝固能が破綻した状態を集中治療管理しながら立て直し、1~2日後にガーゼを取るとるという手術を行います。

余談ですが、この患者さんは2日後にガーゼを取り、止血を確認できました。その後合併症もなく無事に退院されました。

救命は戦い!

マンガでは研修医の戦いと書きましたが、手術を行うにあたって、麻酔科の先生や手術室の看護師さん、輸血を運んでくれる検査技師さんもいます。(もちろん夜間の人手不足の時は若手の外科医は招集されます…)

昼間でも夜中でもたくさんの人が協力して、患者さんの命を助けるために働きます。瀬戸際の状況では怒号が飛び交うこともしばしば…

それでも無事に助かってくれた時は、本当にあのとき頑張ってよかったと思うのです。

外科医はハイリスクではありますが、とてもやりがいのある仕事であります。志望科に迷っている初期研修医の先生や、これから医師になる医学部生、または医師を目指す学生さん達にも興味を持ってもらえればうれしいなと思います。

まとめ

今回の学びは

  • TAEか開腹止血かは初期輸液に反応性があるかどうか
  • 止血の基本は圧迫止血
  • ダメージコントロール手術は圧迫止血で立て直すための手術
  • 外科医はハイリスクだがやりがいのある仕事

です。専門的な内容が多くなってしまいました(;’∀’)

こんなこと書いてほしい!や、外科の〇〇について教えてほしい!

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今日はこれで終わりです。最後までご覧いただきありがとうございました!!

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